インスト・オフボーカルの使用許可の確かめ方:歌ってみたで使う前の4つの手順

この記事のまとめ
  • 確かめる権利は2つ。曲(作詞・作曲)は、JASRAC・NexTone が管理する曲なら、契約しているサービスへの投稿は一定の範囲で手続きなし。インストの音源(原盤)は、作った人のルールを守るか許可をもらいます。
  • CD・配信の Instrumental や、原曲からボーカルを消した音源は、レコード会社などの許可が必要。配布されているオフボーカルは、配布ページのルールの範囲で使えます。
  • キーの変更は、配布元によって「よい」「改変だからだめ」が分かれます。ショート用の切り出しも含めて、ルールに書いていない使い方は、使う前に配布元に聞きます。

歌ってみたでインスト(オフボーカル・オケ)を使う時は、曲そのもの(作詞・作曲)の権利と、インストの音源(原盤:録音された音そのもの)の権利の2つを分けて確かめます。

曲の権利は、JASRAC・NexTone が管理している曲なら、両者と契約しているサービス(YouTube・ニコニコ動画・TikTok など)への投稿で、一定の範囲であれば個人の手続きはいりません(替え歌・編曲や、宣伝のための動画などは別)。音源の権利は別で、インストを作った人(配布元・レコード会社など)のルールを守るか、許可をもらう必要があります。

この記事では、使う前に確かめる4つの手順を、一次情報(JASRAC・NexTone・YouTube などの公式の案内)をもとにまとめました。

2026年10月時点の公式の案内をもとにした一般的な情報で、法律の助言ではありません。迷った時は、配布元・権利者・JASRAC や NexTone の窓口、専門家に確かめてください。

まず、2つの権利を分けて考える

曲の権利は投稿先のサービスの契約で、音源の権利はインストを作った人のルールか許可で確かめる 曲(作詞・作曲) JASRAC・NexTone など 契約サービスなら一定の範囲で手続きなし インストの音源(原盤) 作った人・レコード会社 配布のルールを守るか、許可をもらう 曲の権利が手続きなしでも、音源の権利は別。 YouTube がJASRACと契約していても、市販のCDの Instrumental を使うには、レコード会社などの許可が要る。

JASRAC も NexTone も、自分で歌った・演奏した音源なら、契約しているサービスに手続きなしで投稿できると案内しています。一方で、市販のCDや配信の音源(カラオケを含む)など、ほかの人が作った音源を使うには、その音源の権利者の許可が要ります。この「音源の権利」が、インストの使用許可の話です。

手順1:インストの出どころを確かめる

確かめる相手は、インストをどこから手に入れたかで変わります。

インストの出どころ確かめること
ボカロPさん・アーティスト・公式が配布しているオフボーカル配布ページの利用ルール(手順2)。ルールの範囲で使える
CD・配信の Instrumental(カラオケ)その音源のレコード会社などの許可が必要。窓口は日本レコード協会の「音源利用許諾窓口一覧」から探せる(許可するかは各社の判断)
原曲から、アプリやAIでボーカルを消した音源元はCDや配信の音源なので、上と同じくレコード会社などの許可が必要
YouTube などに上がっている「off vocal」の動画上げた人が作者本人でも、YouTube から音を抜き出す(ダウンロードする)のは、YouTube が認めた方法か、YouTube と権利者の書面の許可がない限り、利用規約で禁止されている。概要欄などにある、作者の配布ページから手に入れる
自分で演奏・打ち込みしたオケ(耳コピなど)音源を作ったのは自分なので、原盤の許可はいらない。ただし、アレンジ(編曲)を加える時は、作詞者・作曲者の意向の確認が要る
オケの制作を頼んだ・買った作った人・販売元との約束(使える範囲・収益化・クレジット)

ボカロPさんや公式が配布しているオフボーカルを使う時は、次の手順2がいちばん大事になります。

手順2:配布ページのルールを読む

配布ページには、「利用規約」「ガイドライン」などの名前で、使ってよい範囲が書かれていることがあります。読む時は、次の所を確かめます。

ルールの例

同じ「オフボーカル」でも、ルールは配布元や使い道ごとにちがいます。公開されている例を2つ挙げます。

キーの変更は、コナミのように認める例も、NRC のように認めない例もあります。ショート用に短くすることは、どちらの例でも「してよい」とは書かれていません(コナミは「キーの変更以外の改変」を禁止しています)。「たぶん大丈夫」で決めずに、その配布元のルールを読み、書いていない使い方は配布元に確かめるのが確かです。

piapro(ピアプロ)で配布されている時

piapro では、作品ごとに「ライセンス条件」がつきます。すべての作品に共通の条件は非営利目的に限ることで(お金をとって使ったり、会社の宣伝などに使ったりはできない)、そのほか名前の表示や改変してよいかが作品ごとに決まっています。piapro は、作者自身が piapro に投稿したカラオケ音源を使う歌ってみたは、作者の条件に従って投稿する限り問題ない、と案内しています。ライセンス条件のない作品は、作者から個別に許可をもらいます。

動画サイトでの収益化が「非営利」に入るかどうかは、piapro のよくある質問には書かれていません。収益化したい時は、作品ページの説明を読むか、作者に確かめてください。

ルールが見つからない・書いていない時

使ってよい範囲が書かれていない時は、配布元(作者)に、メールや X の DM などで問い合わせます。「○○のオフボーカルを、YouTube の歌ってみた(収益化あり・キー+1)で使わせていただいてもよいでしょうか」のように、投稿先・収益化・キーの変更を書くと答えてもらいやすくなります。返事が来るまでは、使わずに待ちましょう。

手順3:曲が JASRAC・NexTone に管理されているか調べる

曲の権利のほうは、JASRAC と NexTone のデータベースで調べられます。

検索の結果で、JASRAC か NexTone が管理していると出る曲なら、投稿先が契約しているサービス(手順4)である限り、一定の範囲で個人の手続きはいりません。出てこない時や、管理していないと出る時は、ほかの管理事業者が管理しているか、作者が自分で管理している曲かもしれません。NexTone は、管理作品と表示されない場合は、その作品の権利者から許可を得る必要がある、と案内しています。作者が出している利用のルール(ガイドライン)を確かめましょう。

なお、替え歌や、アレンジ(編曲)は、手続きなしの範囲に入りません。作詞者・作曲者の意向の確認(NexTone の言い方では「改変の許諾」)が要ると、JASRAC・NexTone は案内しています。

手順4:投稿先が契約しているサービスか確かめる

JASRAC と NexTone は、利用許諾契約を結んでいるサービスの一覧を公開しています(JASRAC の一覧は、公表に同意したサービスだけが載っています)。2026年10月時点で、どちらの一覧にも次のサービスが載っています(一部)。

X(旧 Twitter)は、どちらの一覧にも載っていません(JASRAC は2026年10月8日更新、NexTone は2026年6月25日更新の一覧で確認)。これは、X で曲を使うことについて、JASRAC・NexTone との契約が一覧では確かめられない、という意味です。JASRAC は、一覧にないサービスで使う時は、そのサービスの運営に問い合わせるよう案内しています。サビの切り抜きなど、曲の入った動画を X に直接上げる時も同じです。告知は、YouTube などに投稿した動画のリンクを貼る形にできます。

また JASRAC は、次のような動画は、前もって手続きが要ると案内しています。

収益化と「著作権の申し立て」

YouTube では、動画に管理されている曲が入っていると、Content ID というしくみで「著作権の申し立て」の通知が届くことがあります。

曲の側で収益化できても、インストの配布元が収益化を認めていなければ、そのインストで収益化はできません。手順2のルールとあわせて確かめてください。

動画の投稿以外に使う時

ここまでの「手続きなし」は、契約しているサービスへの動画の投稿の話です。次のような使い方は、それぞれ別の手続きや許可が要ります。

よくある質問

インストのキーを変えてもいい?

配布元のルールしだいです。キーの変更を認めている配布元もあれば、キーの変更も改変として認めていないルールもあります。キー違いのインストが配られていれば、それを使うのが確かです。

クレジットは書かないといけない?

配布元がクレジットを条件にしている時は、指定どおりに書きます。指定がなくても、本家・作詞作曲・インストの配布元を概要欄に書いておくと、聴いた人が元の曲にたどりつけます。

MIX師さんやMIXのサービスに、インストを渡してもいい?

配布ルールにMIXの時の扱いが書いてあれば、それに従います。書いていない時や気になる時は、配布元に確かめると安心です。

「著作権の申し立て」が来たら、動画を消したほうがいい?

JASRAC の管理する曲での申し立てなら、JASRAC は、消したり非公開にしたりする必要はないと説明しています。知らない団体からの申し立ては、海外の管理団体や音楽出版社のことがあるので、申し立てた団体に問い合わせるよう JASRAC は案内しています。

歌枠(ライブ配信)でインストを使う時は?

曲の権利は、配信するサービスが JASRAC・NexTone の一覧に載っているかで確かめます。インストのほうは、配布ルールの「使える場所」にライブ配信が入っているかを見てください。

インストの確認が済んだら、録音とMIXへ。全体の流れは歌ってみたのやり方 完全ガイド、録り方は録音のコツ5つにまとめています。この記事はTakeme2mix Studioの運営が書いています。Takeme2mix Studioでも、インストや曲を使う権利の確認は、ご利用の方にお願いしています。

参考にした情報

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